余呉湖ツーリング前編


2007年の5月中旬の企画であった。最初の目的地は三重県の山中にある鉱山跡。

ツーリングの目的地を探していた管理人は滋賀、岐阜辺りに目星をつけネットで探していた。

その中に面白そうな情報が流れ込んできた。それがその鉱山跡である。

通称白石鉱山と言うらしく、その脇にある名水も有名で他府県からもくみに来る人がいるらしい。

じゃあその名水を頂きつつその鉱山跡でも見に行こうじゃないか!と言うことで目的地は決定された。

5月中旬の割と暖かくなったきた朝、師匠と合流。国道307号線に乗り途中のコンビニで朝食がてら打ち合わせをする。


「その鉱山跡ってのが巨大で迫力があるらしいで」

「へー、そんな物が残ってるんや。面白そうやな」


みたいな感じで話は弾む。しかしここで第一回目の悲劇が訪れる。よく見るとブラックバードのスクリーンに水滴が付いているではないか!

先程まで快晴だった空が気が付いたら雲だらけになっている。動揺を隠せない管理人と師匠。

気が付けば帰路に着く算段をしているヘタレ二人組み。その時ツーリング集団が元気良く目の前を通過して行く。


「俺らってヘタレやなぁ・・・、やっぱ行こうや!」


ツーリング集団に元気を貰い雨が止むのを信じて出発する二人であった。国道307号線でひたすら米原方面に向かう順路。

途中有料バイパスがあるのだが使用せずに回り道する。金をケチるのではなくその道の方が景色が良いのだ。

少しだけ国道一号線を走りその県道に入る。すると一面畑の地元では絶対に見ることが出来ない田舎風景が現れる。

なかなかの絶景と言えるだろう。興味がある人は行ってみるといい。

しかしそんな良い気分も長くは続かなかった。徐々に異変に感づき始める管理人。そう、どんどん寒くなって来ているのだ。

5月にこの寒さはありえない!と言うほど寒い。

ションベンはしたくなって来るわ、手の感覚がなくなってくるわで大変。こ仕方ないので途中コンビニに寄り体力の温存を図る二人。





あまりの寒さにカッパを着だす管理人。サンドイッチとホットコーヒーを飲みだしながらプルプル震える二人。

そしてもっと最悪なのは目的地である白石鉱山の方向の空である。明らかに寒そう。真っ黒で雨雲らしき雲が張り巡らされている。


「ここよりも−5℃ってとこか?」

「その前に雨が凄そう・・・」


暫しの話し合いの結果、このまま鉱山に向かってらどう考えても明らか明るい未来は無い、と判断したヘタレな二人。

残念ながらここで白石鉱山名水ツーリングは打ち切りとなってしまった。

それでは新しい目的地はどうするか・・・?得意の緊急会議を始める事になった。

地図を開き目ぼしい場所を探す。試行錯誤すること数分、滋賀県木ノ本町付近にある「余呉湖」が浮かんで来た。


「このまま307で彦根インターまで行くで!」


我々は彦根インターから高速に乗り木ノ本まで向かった。途中、高速の神田PAに寄って昼飯を食べる事となる。

何か飯ばっかり食っているような感じがするなぁ・・・ま、バイクの運転は腹が減るってことで。

神田に着くと先程の天気が嘘のように晴れてきいた。





気温もさっきよりは暖かいので大分体力が回復したし張り切って余呉湖に向かうとするか。